陽春南風 ウリズンベー
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山原の森からの手紙
陽春南風 ウリズンベー
陽春南風 ウリズンベー
春の雨で大地が潤い
幻の聖紫花の花が
山あいで咲き終える頃
多くの生きものたちは
繁殖の時期を迎えて
山でも海でも新しい命が芽吹く
うりずんは「陽春」とも
「潤初」とも書かれるが
八重山では「若夏」とも書く
長い長い夏のはじまりが
うりずんの南風と共に
今年もやってくる
聖紫花は石垣島と西表島に自生するツツジ科の花
写真・文/仲程長治
1959年八重山・石垣島生まれ。「琉球の陰翳美」をテーマに写真、映像、デザインなど自由な創作活動を行う。
2025年4月より、西表島の暮らしと文化をテーマにした新作映画「春風夏雨」をYouTubeにて無料公開中。