おウチで琉球薬膳
薬膳とは、中国伝統医学の理論に基づいて作る「体の調子を整える美味しい料理」のこと。
このコーナーでは、沖縄食材を使用した琉球薬膳レシピをご紹介します。
フーチバージューシー(ヨモギ雑炊)
ヤファラジューシーとも呼ばれている沖縄の伝統的な料理で、身体がだるい時や食欲のない時に食すと胃腸の調子を整えてくれます。春に採れるフーチバーの苦味には解毒作用があり、冬の間に心身に溜まった老廃物をデトックスしてくれます。
<材料> 2~3人分
米 … 半カップ
かつおだし … 4カップ
豚ばら肉 … 30g
ヨモギ … 30g
塩 … 小さじ1
醤油 … 小さじ半分
ラード … 小さじ1
<ポイント>
ヨモギは野草なので、流水でしっかりもみ洗いをして汚れや虫を落とします。ゴシゴシこすることで葉っぱに傷がつき、しばらく水に浸けておくと余分なアクも流れて、炊いた時にも食感が柔らかくなり、食べやすくなります。
〈作り方〉
1.米は調理する30分前に洗ってざるに上げておく。
2.ヨモギは茎から葉だけを摘んで、流水でもみ洗いをし、しばらく水に浸けてアクを出す。葉が大きければ食べやすい大きさに切る。
3.ゆでて脂を落とした豚ばら肉を短冊切りにする。
4.鍋に米とかつおだし、豚ばら肉、ヨモギを入れる。さらに塩、醤油、ラードを入れて混ぜる。
5.4を強火にかけて沸騰させ、アクをとったら弱火にして静かに煮る。
※煮ている間は途中でかき混ぜないこと。かき混ぜると米が崩れて食感が悪くなります。
6.約20分ほど煮てお米にとろみがついたら、出来上がり。
〈食材ヘルシーメモ〉
フーチバー(ヨモギ)
ヨモギは沖縄ではフーチバーと呼ばれ、汁物の薬味や雑炊などに用います。活力を補給するカロテン、ビタミンC、カルシウムを多く含み、繊維質も豊富なことから、血液を浄化する「血の薬」とも言われています。春になると、ヨモギを含む野草や山菜の苦味を食しますが、これは、冬に溜め込んでいた感情や、寒さでじっとしていた動きを発散、排出する自然の浄化作用と考えられています。
ラード
体に良いイメージはあまりありませんが、健康維持には欠かせない脂肪酸を多く含んでおり、薬膳では体内の毒を流す効用があります。
レシピ監修
「薬膳龍花」琉球薬膳料理研究家 沖縄県知事認定 琉球料理伝承人
宮國 由紀江(みやぐに ゆきえ)さん
琉球王朝時代に残された『御膳本草(ぎょぜんほんぞう)』を元にしたレシピを考案しています。沖縄ならではの食材を組み合わせて、さまざまな効果・効能を引き出すのが薬膳です。琉球料理はそのまま薬膳であることを教えられます。