脈々WEB版 2020年夏号

教えてドクター!

シニア世代の効果的な夏の紫外線対策は?

紫外線について正しく知って、防ぎましょう

 

紫外線の種類と肌への影響

紫外線の種類と肌への影響

 

 肌の老化現象には、加齢による「生理的老化」と「光老化」があり、光老化の原因となるのが紫外線です。地表に届く紫外線には、波長が長いUV-A波と短いUV-B波がありますが(下図参照)、有害性が高いのは、皮膚細胞のDNAを傷つけるB波です。
 紫外線には、病原菌を殺菌したり、体内のビタミンDをつくる手助けをするなど有益な力があります。しかし、長い期間、無防備に紫外線を浴び続けると晩年になって健康に悪影響を及ぼすことがあります。紫外線の影響は、日に当たると肌が赤く焼けるような急性の炎症だけでなく、何十年も経ってからシミやホクロができたり、時には良性や悪性の腫瘍(皮膚ガン)として現われることもあります。
 また、網膜が傷つき、白内障や翼状片など目の病気を引き起こすこともあります。
 年を取ると肌や手の甲に見られるシミやシワも生理的老化ではなく、実は紫外線による慢性障害(光老化)です。
 紫外線対策は「防ぐこと」が全てです。日焼けした後に肌の手入れをすることは、ヒリヒリとした痛みを抑えるためには有効ですが、長期的な観点ではほぼ効果がありません。長い時間、直射日光に当たらないように、日常生活でも日焼け止めなどを上手に使って紫外線カットを心がけることが最も重要です。

月別・天候別にみる紫外線の照射量

月別・天候別にみる紫外線の照射量

紫外線の量は春から初秋にかけて強くなり、南の地域ほど多くなります。また、曇りの日でも紫外線は強く、太陽の反射が多いコンクリートやアスファルト面、海辺や高い山では照射量が増えるので注意が必要です。

日焼け止めの選び方と、効果的な塗り方

日焼け止めの効果的な塗り方

クリームタイプの日焼け止めはパール粒2個分、液状タイプは1円玉2個分を額、鼻の上、両頬2ヵ所、あご、首に分けて置き、丁寧に塗り伸ばします。耳や首の後ろ側、手の甲も忘れずに。

日焼け止めの選び方

日焼け止めを選ぶ時は「SPF」値と「PA」値を参考に。日常生活ではSPF10〜20、PA+〜++で十分ですが、夏の屋外やリゾート地ではSPF40以上、PA+++以上が適しています。

日常生活におけるドクターからのアドバイス

  • 長い時間、直射日光に当たらないようにしましょう
  • 紫外線が強い午前10時〜午後2時は外出を避けましょう
  • 外出時には帽子や日傘、サングラスを使いましょう
  • 日焼け止めは適切なものを選び、上手に使いましょう
  • 日焼け止めは1日に何回か塗り直しましょう
  • 冬や雨の日でも紫外線対策を心がけましょう

帽子やサングラスで紫外線を防ぎましょう

お話を伺ったのは…

とまり皮フ科 院長
新嘉喜 長(あらかき おさお)先生

琉球大学医学部卒業後、同医学部付属病院皮膚科、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター皮膚科、那覇市立病院皮膚科等の勤務を経て、2020年4月にとまり皮フ科を開院。
皮膚科専門医、日本皮膚科学会、日本皮膚外科学会会員。

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