睡眠障害について教えてください。

教えてドクター!

睡眠障害について教えてください。

「睡眠」の役割を知って大切にしましょう

 

 睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態です。厚生労働省の調査によれば、日本の成人のうち約21%が不眠に悩んでいると言われています。しかし、不眠で悩んでいるすべての人が不眠症なのかと言えば、決してそうではありません。
 眠れないことで悩まれている方には、まず「睡眠の大切さ」についてお話しています。睡眠は体や頭を休めて疲労回復をもたらすだけでなく、免疫機能を強化したり、起きている間に得た膨大な量の情報を整理し、脳に記憶を定着するはたらきも担っています。健康的な毎日を送るためにも、睡眠をもっと大切にしましょう。
 質の良い睡眠のためには、生活習慣や眠る環境を整える必要があります。理想的なのは、仕事が休みの日も含めて、いつも同じ時間に寝起きし、食事もできるだけ決まった時間に摂ることです。生活のリズムをパターン化することで、体内時計が自然に整っていきます。
 私たちが「眠くなる」のは、脳からメラトニンというホルモン物質が分泌されて、体内時計にはたらきかけるからです。ところが、その時間にテレビやスマートフォンなどの明るい光を浴びてしまうと、脳は太陽の光と勘違いをして、眠りから目覚めようとしてしまい、寝付きが妨げられます。
 また、就寝前にカフェイン入りの飲料やアルコールを飲むと、頭も体も覚醒して眠れなくなります。自然に眠くなった時に床に就いて寝ること、つまり、体内時計と実際の生活習慣を合わせることが大切です。

 

睡眠のサイクル

睡眠経過図

人の睡眠には体を休める「レム睡眠」と脳を休める「ノンレム睡眠」があり一定のサイクルを繰り返しています。「ノンレム段階1」は声をかければ目が覚める程度の浅い眠り、「ノンレム段階3」は体も脳も休んでいる、多少の物音では目が覚めない深い眠りの状態ですが、加齢に従って「ノンレム段階3」の状態は短くなっていきます。

 

覚醒目が覚めている状態

レム睡眠レム睡眠は、体は眠っているけど脳は起きている浅い眠りです。鮮明で物語のある夢や悪夢を見たりします。呼吸は不規則で、眼球が盛んに動くことが特徴です。

ノンレム睡眠ノンレム睡眠は脳の活動が低下していく深い眠りで、3段階に分けられます。深部体温を冷やすために体内の熱を放出し、寝汗をかくことが特徴です。

加齢によって変化する睡眠の質と量

 

 人間の眠りには、体を休める浅い「レム睡眠」と、脳を休ませる深い「ノンレム睡眠」があります。眠りにつくと、まずノンレム睡眠が現れてだんだんと深くなっていき、次に浅いレム睡眠へと徐々に移行します。このサイクルの間隔は約90~120分で、一晩に4~5回ほど繰り返されます(前出の「睡眠経過図」を参照)。
 レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは加齢と共に次第に不安定になり、熟睡している時間(ノンレム段階3)が短くなったり、ほとんど無くなる傾向があります。また、夜中に目が覚めたり、記憶にはない数秒の目覚めなどの「中途覚醒」も年を重ねるごとに増えてきます。
 睡眠の質も量も、加齢と共に変化していくものです。若い頃のように眠れないのは自然なことですので、今のご自身に合った睡眠時間や、睡眠のために良い環境や生活習慣を知っておくことが大切です。

 

快適な睡眠のために、環境と習慣を整えましょう

 

 ご高齢の方から、「夜中に目が覚める」「朝早く起きてしまう」というご相談がよくありますが、お話を伺うと、日中はあまり動かず、夜も夕食後にやることがないので20時には床に就く…という方も少なくありません。早く眠れば夜中に起きたり、朝早く目が覚めるのは当然のこと。「8時間は眠らないとダメ」とか「不眠症ではないか」と心配し過ぎることがストレスになり、さらに眠れなくなるという悪循環もみられます。畑仕事などで週に5日以上、体を動かす習慣のある高齢者は不眠の発生が抑制されているという研究結果もありますので、「睡眠を大切にしよう」という気持ちと、ほんの少し生活習慣を見直す努力をしていただければ、睡眠に関する悩みは、病院や薬に頼らずとも「ご自分で治せる」ということを知っておいてください。
 なお、眠れない症状や酷いいびきが長らく改善されない場合には、専門医にご相談ください。

 

睡眠を防げるもの

強い光 テレビやパソコン、スマートフォンの光は太陽光と同じくらい強く、夜に浴びると体内時計が遅くなります
アルコール 睡眠の導入には有効ですが、数時間後には脳を覚醒させる方向にはたらきます
カフェイン コーヒーは3〜7時間ほど覚醒作用が続きます。緑茶、紅茶、ココアなども同様。麦茶はカフェインゼロです
タバコ ニコチンは脳を覚醒させる方向にはたらきます
市販薬 抗ヒスタミン薬など、服用している薬が不眠の原因になることがあります

 

心地よい睡眠のための生活習慣

  • ・心と体をリラックスさせましょう
  • ・午後に運動するなど体を動かしましょう
  • ・夜に影響するので昼寝は短めに
  • ・就寝3〜4時間前はカフェイン抜きで
  • ・遅い時間はアルコールを避けましょう
  • ・寝る時刻と起きる時刻はできるだけ一定に
  • ・自分にとって快適な睡眠環境をつくりましょう
  • ベッドの位置/雑音や騒音を減らす/入眠前と睡眠中の明るさを制限/室温、湿度などを最適に保つ

お話を伺ったのは…

医療法人社団 輔仁会
嬉野が丘 サマリヤ人病院
睡眠外来 院長
山城 義広(やよしましろ よしひろ)先生

宮城県仙台市生まれ。東邦大学医学部卒。呼吸器専門医、睡眠医療認定医、内科認定医、愛知医大客員教授、岩手医科大学非常勤講師、東邦大学医学部客員講師、日本睡眠学会評議員。2013年よりサマリヤ人病院に勤務。2016年より院長を務め、睡眠外来を開設。

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