教えてドクター!
<特別編>シニア世代におすすめ!体に負担が少ない運動法
筋肉を育てる運動で心身ともに元気な冬を
寒さから、外に出たり身体を動かす機会が少なくなる冬。特に今冬は、例年よりも自宅にこもりがちという方が多いのではないでしょうか?
身体を動かす筋肉は、使わなければ固く、弱くなってしまいますが、実は何歳になっても使えば使うほど若返るという特徴があります。筋肉には血液の循環を助けたり、外部の衝撃から臓器を守る働きもあるので、運動不足による筋力の衰えがそのまま心身の衰えにもつながりがちです。
シニア向けの健康教室では、「歩きづらくなった」「階段が昇りづらい」「腰や膝が痛い」という声をよく聞きますが、こうした症状は、無理なく身体を動かして筋力を上げることで比較的簡単に解消することができます。
運動を続けることで筋肉が付くと、まず姿勢が良くなります。そして背筋がシャンと伸びると気分も変わります。実際に、運動を続けた70代以上の方からは、「同年代の友人に若返ったと言われた」という嬉しい報告もよく聞きます。ぜひ、無理なく身体を動かす左ページのストレッチから始めてみてください。
筋肉をほぐす準備体操
1)イスに浅く座って背筋をシャンと伸ばします。
2)片足を前に出して、ひざの上に軽く手を置き、つま先を上に向けてそのまま30秒キープ。
3)もう片方の足も同じように伸ばします。
1)イスに浅く座って背筋をシャンと伸ばします。
2)片方の足をもう片方の足のひざの上にのせて「4の字」に組みます。
3)猫背にならないよう背筋を伸ばし、余裕があったら少しだけ上体を前に倒し、おしりの後ろが伸びていることを意識しながら30秒キープ。
*回数は目安です。無理のない回数で構いません。
猫背と腰痛を改善するストレッチ
1)イスに浅く座り、背筋をシャンと伸ばします。
2)ひざの上に軽く手を置き、右足、左足と交互に、左右のももを根元からゆっくり上げます。ももを上げることで股関節のまわりに筋肉が付いて、良い姿勢が自然に保てるようになります。
1)四つん這いになり、手は肩の真下に、膝は股関節の真下にくるように置きます。
2)背中を丸めておへそを見ながら、おなかにギューっと力を入れて縮こまるようにします。(猫のポーズ)
3)次に、おしりを突き出して息をふーっと吐きながら、背中を反って天井を見上げます。(犬のポーズ)
*回数は目安です。無理のない回数で構いません。
エキスパートからのアドバイス
無理なく運動を続け筋力を付けるコツ
- ❶無理のない運動をしましょう
とにかく無理なくご自分のペースで。無理をしないことが継続につながります。 - ❷少しずつでも良いので、続けましょう
毎日が無理なら1日置きでも。生活の中に運動する時間を取り入れてみましょう。 - ❸小さな変化を観察して楽しみましょう
運動を続けると、足取りが軽い、姿勢が良くなったなど変化が感じられます。それを楽しんでさらに続けましょう。
お話を伺ったのは…
健康運動実践指導者
フィジカル&コンディショニングトレーナー
(株)BuilPani代表・トレーナー
新里 翼さん
沖縄県石垣島生まれ。2017年、「島民の心身両面の健康」と「医療費の削減」を理念に掲げ、フィットネスジム「ビルパニ」を石垣島にオープン。老若男女を問わず、運動を生活習慣の一部とするためのサポートを行うほか、健康運動実践指導者として介護施設での運動サポートや、シニア向け健康教室での講話、運動指導などを精力的に行っている。
「健康運動実践指導者」とは…健康づくりのための運動指導者に与えられる資格。個人の身体状況に応じた安全で効果的な運動プログラムの作成・指導と、生活習慣病にかかる可能性のある人への個別指導・健康支援を行う。