教えてドクター!
<特別編>健康運動実践指導者に聞く 膝痛を防ぐストレッチと運動
膝の痛みは姿勢の悪さから起こります
暖かくなる春は運動や外出の機会も増え、膝の痛みを感じる方も多い季節です。膝痛の原因は様々ですが、その多くは不良な姿勢が原因で起きる痛みです。
円背姿勢など、日常的に悪い姿勢が続くことで骨盤帯にゆがみが生じて可動する部分が制限されることが原因になっていることが多く、さらに、不良な姿勢に加齢が伴うことで筋肉の量や筋力の低下が進行します。そのために、膝を支える関節や靭帯がその役割を果たすことが困難となり、結果として炎症を起こして痛みが生じてしまうのです。
膝痛の予防・改善には身体全体の筋肉、特に下半身の筋肉バランスを保つことが大切です。硬くなった筋肉はストレッチでほぐし、弱い部分は鍛えるなどして(左ページを参照)筋力のバランスを整えましょう。
私が運営しているトレーニングジムには「変形性膝関節症」と診断された80代の方がストレッチと筋肉トレーニングを続けた結果、姿勢が良くなって、膝の病気が完治した例もあります。
まずは無理のないスレッチから始めて少しずつ続けてみることで筋肉が柔らかくなり、姿勢が改善されると気持ちも前向きになってきますので、ぜひチャレンジしてみてください。
膝痛が起きるメカニズム
モノを拾う時の姿勢をチェックしてみましょう
姿勢が悪いと、歩く時やしゃがんだ時に膝に負担がかかり、骨同士が摩擦してすり減ったり、じん帯が伸びきることで膝痛の原因になります
膝が痛い人のためのストレッチ
固くなった筋肉を伸ばしましょう
- ❶足を四の字に組み、胸を張る。
- ❷息を吐きながら上体を少し前に倒してお尻の筋肉を伸ばす。
- ❸膝の少し上に手を添えてかかとを上げて足を伸ばし、痛くない程度に太ももの裏を伸ばす。左右の足、各30〜60秒×2セット
膝痛を予防、改善する運動
姿勢を支える筋肉をつけます
ストレッチで筋肉を伸ばしたら、次は上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋(ちょうようきん)を使う運動を。壁にピッタリと背中をつけて立ち、片方の足を膝から上げます。これだけでも辛いと思いますが、息を吐きながらゆっくりと10回上げ、左右の足を替えて10回×2セット行ってください。
エキスパートからのアドバイス
- ❶膝の痛みは「姿勢の悪さ」から起こります
- ❷姿勢を良くするには毎日のストレッチが有効です
- ❸ストレッチの後、適度な運動で筋肉をつけましょう
- ❹無理せずに少しずつ、楽しく続けていきましょう
お話を伺ったのは…
健康運動実践指導者
フィットネストレーナー
新里 翼さん
「島民の心身両面の健康」を理念に掲げる石垣島のフィットネスジム「ビルパニ」のオーナー。フィジカル&コンディショニングトレーナーとして、老若男女を問わず、運動を生活習慣の一部とするための様々なサポートを行っている。