脈々WEB版 2020年冬号

特集

沖縄の四季彩美

【特集】沖縄の四季彩美

首里城の壁面や赤瓦の「朱」は、古くから高貴な色とされ、沖縄のイメージカラーの一つになっています

〈今号の表紙〉 毎年1月下旬から2月下旬に開催される「今帰仁グスクまつり」でのワンショット。世界遺産でもある今帰仁城跡から眺めると、寒緋桜のピンクが海の青と重なる。沖縄でしか見られないの春の風景だ。撮影:仲程長治

 

温暖な島が魅せる沖縄特有の色彩美。

 令和初の年明けを迎えました。今回の『脈々』のテーマは「沖縄の四季彩美」です。一年をとおして温暖な沖縄には本土とはまた違った四季折々の様子やその色彩の変化があります。私たちは日々、その景色の変化に季節の移ろいを感じながら暮らしています。本誌を通して、私たちの島を身近に感じ、お楽しみいただけましたら幸いです。
 皆さまご存じの通り、昨年10月31日に沖縄の象徴である首里城の大部分が火災で失われました。当日朝一番にそのニュースに接し、大きいショックと喪失感を覚えました。真夏の青い空に映える首里城の朱色を、再び取り戻せることを願ってやみません。皆さまとともに首里城再建への一助となるべく、募金へのご協力をお願いしております。詳細につきましては本誌裏表紙のご案内にてご確認ください。多くの皆さまのお力添えをよろしくお願いいたします。
 本年が皆さまにとって健康で良い年となりますよう、スタッフ一同心よりお祈り申し上げます。

代表取締役 名護健

代表取締役 名護 健


 

沖縄の四季彩美

冬の色

 

〜沖縄の四季彩美〜冬の色

沖縄の「県の蝶」に指定されているオオゴマダラ。冬でも優雅な姿を見せてくれる

 

短い冬の光を受けて輝く白と朱

 冬の沖縄は、北風に揺れるサトウキビの穂花や、空を覆う灰色の雲に差し込む光に代表される「白」、年始を祝う南国らしい「朱」が輝く季節。1年を通して温暖な気候から「常春の島」ともいわれる沖縄ですが、季節の移り変わりは確かに存在し、冬の訪れは海を渡る北風と共にやってきます。
 1年で最も日が短くなる冬至の頃には、各家庭で田芋や豚肉を炊き込んだトゥンジージューシーやムーチーを食べて寒さを乗り切ります。また、シークヮーサーやタンカンなどの柑橘類も色づき、北の国からサギやカモなどの渡り鳥もやってきます。
 島が最も冷え込むのは、元旦を過ぎて旧正月を迎える頃(2020年は1月下旬)。山では寒緋桜が蕾を膨らませます。

 

〜沖縄の四季彩美〜冬の色いろいろ


 

沖縄の四季彩美

春の色

 

沖縄の四季彩美〜春の色〜

島の軒先を彩るピンク色のブーゲンビリアも春の光を浴びて色を増す

 

南国の花々が咲き誇る百花繚乱の季節

 花や珊瑚を思い起こさせる「ピンク」や「赤」が常緑の中に踊る、沖縄の春の色。
 本州ではまだ肌寒い日が続く旧暦2月頃から山々には新緑た芽吹き、ツツジやテッポウユリなど色とりどりの花々が春の気配を感じさせてくれます。
 3月になると海水もだいぶ温かくなり、浜辺ではもずくやアーサ(ヒトエグサ)など海藻類の収穫が最盛期を迎えます。
 1年で最も大きく潮が引く浜下りの日(旧暦3月3日)には、サンゴ礁のイノー(礁池)で女性たちが潮干狩りを楽しみながら、海水に足を浸して厄払いをするのが習わしです。
 そして、お墓の回りでご先祖様をお迎えするシーミー(清明祭)の季節が終わる頃、梅雨がやってきます。

 

沖縄の四季彩美〜春の色〜


 

沖縄の四季彩美

夏の色

 

沖縄の四季彩美〜夏の色〜

陽のあたる場所と日陰とのコントラストが強い、マフックヮ(真夏)の色

 

太陽が主役の長くて暑い季節

 糸満ハーレーの鉦(かね)の音が梅雨明けを告げ、カーチベー(夏至南風)に乗ってスクの群れが岸辺に寄せる頃から始まる、沖縄の暑くて長い夏。真夏の太陽に照らされた海はより一層青さを増し、朝夕のスコールで虹が見られる日も多くなります。
 ゴーヤー、パパイヤなどの夏野菜や、パイナップルやマンゴーといった南国フルーツが店先に彩りを与え、陽射しの強さが光と影の強烈なコントラストを生み出します。エイサー太鼓が鳴り響く旧盆の頃には暑さもピークとなり、台風が次々とやってきて島の色を攪拌します。

 

沖縄の四季彩美〜春の色〜


 

沖縄の四季彩美

秋の色

 

沖縄の四季彩美〜秋の色〜

海の向こうから豊穣の神様が訪れる秋。夕焼けの色も神々しい

 

天に祈りを捧げる実りの色

 長かった夏がようやく終わりに近づき、朝夕に風の涼しさを感じ始める秋の色は「黄金」や「橙」。今年の実りに感謝し、翌年の五穀豊穣を祈願する祭事が各地で行われます。数え97歳のカジマヤーなど、長寿をお祝いするのもこの季節。
 やがて秋が深まってミーニシ(新北風)が吹き始めると、海を染める夕焼けは美しさを増し、昼と夜との境目を意味するアコークローの色合いも、魔物が現れそうなほど幻想的に。澄んだ夜空に中秋の名月や満天の星々が黄金の輝きを放ちます。

 

沖縄の四季彩美〜秋の色〜

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沖縄の四季彩美

【特集】沖縄の四季彩美

首里城の壁面や赤瓦の「朱」は、古くから高貴な色とされ、沖縄のイメージカラーの一つになっています

〈今号の表紙〉 毎年1月下旬から2月下旬に開催される「今帰仁グスクまつり」でのワンショット。世界遺産でもある今帰仁城跡から眺めると、寒緋桜のピンクが海の青と重なる。沖縄でしか見られないの春の風景だ。撮影:仲程長治

 

温暖な島が魅せる沖縄特有の色彩美。

 令和初の年明けを迎えました。今回の『脈々』のテーマは「沖縄の四季彩美」です。一年をとおして温暖な沖縄には本土とはまた違った四季折々の様子やその色彩の変化があります。私たちは日々、その景色の変化に季節の移ろいを感じながら暮らしています。本誌を通して、私たちの島を身近に感じ、お楽しみいただけましたら幸いです。
 皆さまご存じの通り、昨年10月31日に沖縄の象徴である首里城の大部分が火災で失われました。当日朝一番にそのニュースに接し、大きいショックと喪失感を覚えました。真夏の青い空に映える首里城の朱色を、再び取り戻せることを願ってやみません。皆さまとともに首里城再建への一助となるべく、募金へのご協力をお願いしております。詳細につきましては本誌裏表紙のご案内にてご確認ください。多くの皆さまのお力添えをよろしくお願いいたします。
 本年が皆さまにとって健康で良い年となりますよう、スタッフ一同心よりお祈り申し上げます。

代表取締役 名護健

代表取締役 名護 健

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