脈々WEB版 2020年春号
一覧に戻る
ちゅら島のめぐみ
マンゴー (2020年春号)
南国フルーツの代表格といえば「マンゴー」!沖縄の太陽をたっぷり浴びた真っ赤な果皮の下には、トロピカルな香りと、とろける甘さの果肉。美味しいマンゴーがどのように育つのか、熱帯資源の農場からレポートします。
美味しいだけでなく、健康成分も豊富に含まれているマンゴー。
手間と太陽が育む
宝石のようなマンゴー
世界三大美果の一つとしてその美味しさがよく知られているマンゴー。完熟したマンゴーの果肉には、強い抗酸化作用があり、目・皮膚の粘膜を健康に保つ「ビタミンA」、美容にも良い「ビタミンC」や「葉酸」などの健康成分が豊富に含まれています。
熱帯資源の農場では3月後半からマンゴーの開花が盛りを迎え、ハウスの中は独特の甘い香りがいっぱいに広がります。ハチなどの虫たちが匂いに誘われて受粉し、4月頃には無数の花に小さな実が付き始めます。
見た目も美しく、美味しいマンゴーに育てるためには、沖縄の太陽の光をたっぷりと実にあてる必要があります。まず、花が咲いている段階で1本ずつ枝を糸で吊るして虫たちが受粉しやすくし、花に十分な太陽光をあてて健康な実がつくようにします。
次に、1本の枝に1つの実だけがつくように残りの実を摘み取る「摘果作業」を行います。こうすることで栄養が行き届き、ずっしりとジューシーな果実に育ちます。
また、マンゴーの実は水や葉によってすぐにシミやキズができてしまうほどデリケートなため、ある程度の大きさに育った段階で1つひとつ手作業で袋がけを行います。
こうした細やかな作業や、水やりの加減など、手間ひまを惜しまないお世話によって、宝石のように美しく美味しいマンゴーが育っていきます。
- 枝が垂れ下がらないように1本1本行う枝吊りの作業。
- マンゴーの花。無数の花がやがて数ミリの実となります。
- むらなく色づくよう、優しく袋で包みます。
- 出荷作業も慎重に、愛情込めて育てたマンゴーを皆さまの元へお届けします。
マンゴーができるまで
- 手作りの肥料を利用しながら土づくりを行います。土がやわらかい状態を保つようにします。
- 枝の垂れ下がりを防ぎ、花が咲いた時に虫たちが受粉しやすいように上から紐で引っ張り上げます。
- 黄色や赤色をした、たくさんの小さな花が房状になって咲き始めます。
- 花が咲き始めると、虫たちに受粉してもらいます。
- 受粉を終えると花が散って小さな実がつき始めます。
- 栄養が集中するよう実を確認して選別を行い、ひと枝にひとつだけ実を残します。
- 実の重さで下にちないように、そして太陽の光が十分に当たるように、上から紐で引っ張り上げます。
- シミやキズを防ぎ、実全体に太陽の光を当て、むらなく色づくように袋がけをします。
- きれいな赤色に色づいたら収穫時期です。袋掛けの紙を通しても実の色が赤く見えます。