脈々WEB版 2020年春号
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おウチで琉球薬膳
薬膳とは、中国伝統医学の理論に基づいて作る「体の調子を整える美味しい料理」のこと。
このコーナーでは、沖縄食材を使用した琉球薬膳レシピをご紹介します。
チデークニーイリチー(島人参の炒め煮)
春は陽気が上がるため、目鼻の不調や怒りの感情が出やすい季節。 目に良いビタミンAやカロテンを含む人参をたっぷり使った炒め煮は消化も良く、彩りも春らしい一品です。 (※島人参は人参で代用できます)
<材料> 5人分
島人参もしくは人参 … 400g
豚バラ肉(ブロック) … 200g
ニンニクの葉もしくはニラ … 50g
味噌 … 80g
サラダ油 … 大さじ2
●だし
豚だし … 1/4カップ
かつおだし … 1/4カップ
<ポイント>
豚バラ肉は下茹ですることで脂が不飽和脂肪から、飽和脂肪に変化します。
また、ゆで汁はそのまま豚だしとして使用します。
1.豚バラ肉を熱湯に入れて強めの中火で約50分茹でる。
2.茹でた豚肉を幅1cm、長さ5cmの短冊切りに、島人参は厚さ5mmの斜め切りにする。
3.フライパンに油を入れて豚肉を炒め、島人参を加えて炒める。
4.豚だしとかつおだしを少しずつ加えて染み込ませ、だしで溶いた味噌を入れて中火で煮込む。
5.島人参が柔らかくなり、全体に光沢がでてきたら長さ5cm程度にカットしたニンニク葉を入れて出来上がり。
〈食材ヘルシーメモ〉
島人参
沖縄ではチデークニー(黄色い大根)と呼ばれる島人参は、ビタミンAが普通の人参より多く含まれています。
豚肉
冬に使った血(エネルギー)を補填し、体を潤す効果があります。
中医学では血が不足すると怒りやすく、睡眠障害も起こりやすいと言われています。
レシピ監修
「薬膳龍花」琉球薬膳料理研究家 沖縄県知事認定 琉球料理伝承人
宮國 由紀江(みやぐに ゆきえ)さん
琉球王朝時代に残された『御膳本草(ぎょぜんほんぞう)』を元にしたレシピを考案しています。沖縄ならではの食材を組み合わせて、さまざまな効果・効能を引き出すのが薬膳です。