教えてドクター!
シニア世代の「快眠」のヒケツを教えてください
快適な眠りのために環境を整えましょう
今年は自粛の日々が続き、夏の暑さも厳しかったので、以前より外出する機会が減ってしまったという方が多いのではないしょうか。1日中自宅にいて運動不足になったり、暑くて寝付けなかったりすると生活のリズムも狂いがちですが、心地よい眠りのために必要なことは、規則正しい生活のリズムを保つこと。どんなにたくさん運動しても、バランスの良い食事を心がけても、布団に入る時刻が毎日違っていれば、快眠を得ることはできません。
毎日決まった時間に床に就いて体内時計を整えるために必要なのは、適度な運動です。負担なく続けられる軽めのストレッチや、簡単な筋トレ(左ページ参照)を、就寝の3時間くらい前に行うと効果的です。同じく就寝の2~3時間前の入浴もおすすめします。
逆に禁物なのは夜間の光です。特にスマートフォンの青い光や、昼白色の蛍光灯は体内時計を狂わせます。また、就寝前の食事やコーヒー、緑茶などカフェインを含む飲食物は控えめに。アルコールは、寝付きはよくなるものの、明け方の睡眠を妨げるのでおすすめはしません。
シニア世代に必要な睡眠時間は1日7〜9時間です。日中に15〜30分程度の昼寝を取り入れると、夜によく眠れることもありますので、参考になさってください。
快眠に大事なのは、「規則正しい生活リズム」
自宅でできる運動・ストレッチ
1)イスに座り、背筋を伸ばします。
2)ゆっくりと片足の膝をできるだけまっすぐ伸ばします。
※膝を無理に伸ばしすぎないように気をつけましょう。
3)膝が伸びたら、つま先を頭に向けます。
4)ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
1)両膝を立て、足は腰幅に開きます。
2)両腕は前方に伸ばし、ふとももに触れながら、ゆっくりと肩が床から離れるように上体を起こします。
3)1秒間、この姿勢を保ったら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団HPより引用して作成
ドクターからのアドバイス
心地よく眠れる環境づくりのチェックポイント
- ❶快適な室温
眠る30分前にエアコンを入れて26〜28℃程度に体感的に少し寒いくらいが寝入りやすい室温です - ❷静かな環境
テレビやラジオなどの音はできるだけ消す - ❸青い光は禁物
スマホやパソコンは太陽光と同じ青い光なので眠れなくなります。寝室の灯りは暖色系に
お話を伺ったのは…
医療法人社団 輔仁会
嬉野が丘 サマリヤ人病院
睡眠外来 院長
山城 義広(やましろ よしひろ)先生
宮城県仙台市生まれ。東邦大学医学部卒。呼吸器専門医、睡眠医療認定医、内科認定医、愛知医大客員教授、岩手医科大学非常勤講師、東邦大学医学部客員講師、日本睡眠学会評議員。2013年よりサマリヤ人病院に勤務。2016年より院長を務め、睡眠外来を開設。